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国際弦楽器製作コンクール 2025 ブルガリア

第326回 鈴木 郁子 (2025.10.05)

 

 

この6月、ブルガリア カザンラックで行われた国際弦楽器製作コンクールの審査員をさせて頂きました。

審査委員長は師匠であるMaestro Giorgio SCOLARI、他の楽器製作者の審査員はブルガリアから1名、イタリア各地から3名、中国から1名、日本から私の計7名。そして音響審査のためのVn Va Vcのプレイヤー。

 

皆が同じホテルに泊まり、朝8時食堂に集合で朝食、その後みんなで会場へ行き審査、13時頃ホテルに戻り昼食、14〜15時頃から再び審査、20時ホテルにて夕食、22時過ぎから夕涼み(夜涼み?)しながらお話(議論)… シャワーを浴びてベッドに入るのは連日0時過ぎでした。

表彰式や催事なども含めるとほぼ1週間、事務局のスタッフと審査員は寝食行動を共にしました。

 

ブルガリアが誇るバラ祭りの時期であり、街中には露天が並び、バラの香りに包まれていました。

コンクール審査のスケジュールをこなしていく中では食事が楽しみになります。
ブルガリア料理は地産地消で新鮮なお野菜やチーズ、お肉、もちろんヨーグルトも使われています。
サラダ系は好物です。
お肉料理のスパイス使いは新鮮で様々な工夫がされており、デザートもBuono。
クレームカラメルは審査員たちのお気に入りでおかわりをしていました。食
事が良い気分転換となりました。量はとても多かったです。

私は今回が4度目の審査員のお仕事でしたが、真剣に作られた楽器たちはすごいエネルギーを放っています。
どのように評価していくべきなのか、毎回悩むところです。そして良い刺激を頂き、私もまだまだ修行中なのだなとの思いが強くなります。

外界と連絡は取れますし時間を見つけてお買い物に行ってもいいので自由なのですが、
1週間の合宿のような共同生活はコンクラーベみたいだなと思いました。
今回の表彰式ではカルテットと無伴奏であの名バイオリニストSvetlin Roussev(スヴェトリン ルセフ)によるストラディバリ使用のコンサートがありました。
それを審査員席(演奏者の背後)から聴くことができました。
疲れ切っていた身体に最高のすごいご褒美を頂きました。OTTIMO!!