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新しい道具

第202回 河村 盛介 (2020.5.20)
河村 盛介

2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大により国や都道府県から不要不急の外出自粛を要請され、自宅にいることが多くなり、ネット検索の時間も増えました。
そんな中、目に留まったLUCTUSのクックケトル、だたお湯を沸かすだけでなく、湯煎用の小型容器とそこにセットできる茶こしが付いていて、40~90℃の範囲で保温ができる優れもの。
思わず購入してしまいました。

何のために購入したかというと、膠を湯煎するため。

ご存知の方も多いと思いますが、バイオリンの各パーツは膠で接着されています。膠は、動物の骨や皮に含まれるコラーゲンから作られる接着剤で、紀元前から建築、木工、絵画などの様々な分野で使われています。
膠は60~70℃の湯煎にかけて溶かして使用しますが、私はバイオリン製作を始めてからこれまで普通の電気コンロと鍋を使って湯煎していました。

使っていた電気コンロはニクロム線が内と外の二重に配置された単純なもので、値段も安く壊れないので、今まで使ってきました。
ただ、つまみの設定が「切」、「強」、「弱(内)」、「弱(外)」しかなく温度調節が難しかったのです。
膠は過熱しすぎると接着力が弱くなってしまうので、接着作業中はつまみを頻繁に操作して沸騰しないようにしていました。
20年以上も同じコンロを使って慣れていたこともあって、ある程度の不便を感じながらも使ってきました。
そんな時に見つけたクックケトル、保温ができれば過熱しすぎの心配がなく、現在のお湯の温度がデジタルで表示されるので安心です。

しかし、本格的な運用はこれから。
膠作業が楽になるのを期待しているのですが、期待通りにうまくいくのかどうか。
また付属している茶こしを使って、ニス塗り作業に使う染料を煮出してみたりしたいと思っています。
使用感などにご興味のある方は、次回の展示会などでそっと声をかけてください。