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製作学校同窓生の製作楽器との出会い

第229回 安冨 成巳(2021.8.5)
安冨 成巳

先日工房へ駒を倒して割れてしまったので急ぎ交換修理をして欲しい、とのお問い合わせがありました。

持参された楽器を拝見してビックリ、私が留学していたイタリアクレモナの製作学校の同窓生が作った楽器でした。

彼はお父さんも弦楽器製作者であり、その家庭環境もあって弦楽職人の道を志しジュニアハイスクール卒業後にすぐ学校へ入学してきたので、当時は高校生でした。(※クレモナの国立ヴァイオリン製作学校は日本の高専と同等です。)

彼のお父さんの製作した楽器は山形交響楽団のチェロ奏者の方が使用しておられ修理をした事があったのですが、まさか同窓生の彼の楽器に山形で会うとは思いませんでした。

使用されているのは中学生の女の子で、コンクールにチャレンジする直前に駒を倒してしまったとの事。
普段から彼の製作した楽器の音をとても気に入りながら演奏しておられるとのことでした。
彼にこの事を伝えると、とても喜んでいました。

製作した楽器が海を渡り、音楽を愛する誰かを幸せにしている、これは製作者として一番幸せな事だろうなと思います。