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ロックダウン緩和されました

第204回 伊東ラッザリ渚 (2020.6.20)

ここ数ヶ月、新型コロナウイルスのニュースを耳にしない日はありません。
ここイタリアもウィルスが猛威を振るい、特に北イタリアでは多くの感染者と犠牲者が出てしましました。

約2ヶ月に渡るロックダウンの期間を経て、5月中旬から規制が緩和され、6月からは州をまたいでの移動も可能になり、少しずつではありますが通常の生活に戻りつつあります。

規制期間中、私たちに出来ることは感染しない、させないこと。を心がけ、一日中工房に篭りきりで出来るだけ人との接触を避けて感染予防に努める日々でした。

ここは田舎町の良いところで、必要なお買い物も、お願いすると工房まで直接配達してくれ、外出を避ける事ができていました。

それでもロックダウンの期間はなかなか辛く、不安も多い毎日でしたがヴァイオリン製作においてはじっくり落ち着いて、どこへも行けないご時世なのだから逆にこの時間を有効活用しようと、資料を引っ張り出しては見直したり、見比べたり、楽器や製作について話し合ったり、相談しならが作業をしていました。
そうしてみると、普段はさっと先に進んでしまう工程の中でも新しい発見があったり、弱点や改良点、試してみたいことなども色々出てきてまた製作意欲が湧いてきました。

毎日隣で作業をしている主人で師匠のニコラですが、工房で2人きりでゆっくりと話をしてみると開業40周年を迎えた今だからこその考えや感覚など、新たに知る事が出来てとても興味深い出来事でした。

彼の”職人は満足したらそこで終わり”の言葉をいつも胸に、私も常に向上心を持って毎日の仕事をコツコツと頑張ろうと思います。

そして私たちの作った楽器をどこかで手にとって下さった方が、音楽と共に少しでも幸せな時間を過ごしていただけたらこれ以上嬉しいことはありません。

昨年、友人が作成してくれた、私たちの日常の作業風景をまとめた動画をご紹介させていただきます。
こんな感じで仕事をしているんだなと、工房の雰囲気を感じてご覧いただけましたら幸いです。
そして1日も早くウイルスが終息し、誰もが心から音楽を楽しむことの出来る穏やかな日常が戻りますよう切に願っております。