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第260回 根本 和音 (2023.1.5)

こんにちはクレモナの根本です。
昨年の話になってしまうのですが、コラムの機会にトリエンナーレコンクールの報告をさせて頂けたらと思います。

第16回 Concorso Triennale Internazionale di Liuteria Antonio Stradivari
通称トリエンナーレヴァイオリン製作者コンクールにおいて
チェロ1艇にて参加させて頂き、1位ゴールドメダル 優勝することが出来ました。
このコンクールでは日本人として歴代2人目、39年ぶりのゴールドメダルになり、チェロ部門では日本人初受賞となりました。

他にもイタリアに住む外国人最優秀賞 Premio Cologni、クレモナの弦楽器フェアMondoMusica でのブースを一つ頂けるCremona Mondomusica賞もいただくことが出来ました。
表彰式ではクレモナ市長から直接ゴールドメダルと賞状を授与して頂きました。
表彰式後に受賞したチェロを使ってのコンサートも行われました。

これまで学んできました様々な知識、経験などの集大成としてこのような誇らしい、栄誉ある賞をいただくことができ本当に嬉しかったです。

これまでに支えてくださった同僚や友人家族恋人全ての自分に関わってくださっている皆様のおかげです。
同僚のFrancesco Toto氏にはたくさんのアドバイスや意見、考えなどを貰いより良い楽器づくりを心に製作することが出来ました。
そしてミラノに工房を構えるIgor Moroder氏。
今回のチェロの根本を、そして楽器の音に関する全ての知識、経験を惜しみなく自分に伝えてくださりました。
まだまだ教わり始めてから2年も経たないくらいですが、彼の楽器製作への考えを継ぎ、更により良い楽器づくり、音づくりを心がけていきたいと改めて感じました。

今回のチェロの製作途中にも何度窓から投げ捨ててやろうかと考えた程行き詰まり、上手くいかない部分も多々ありましたが。
それでも楽器職人として結果をしっかりと残すことができて本当に嬉しかったです。

自分の他にも日本人で永石 勇人さんがチェロ部門で3位にいつも自分の楽器を見ていただいたりアドバイスを下さっている方の高橋 明さんがA.L.I特別賞を受賞されました。

今後とも楽器製作にまっすぐ立ち向かっていきますので、若輩者ですがどうぞ宜しくお願い致します。