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新しい日常に思うこと

第221回 三枝 佳世(2021.4.5)

以前の‘普通’の行動が制限され始めてから1年が経ちました。この間、日々の生活、仕事等、影響を受けないことはないのではないかと言うほど世の中が変わってしまい、今までの生活のありがたさを痛感しています。
各分野で世界中の展示会等も中止が相次ぎ、新しいアイディアやオンラインでの開催が当たり前になりつつあります。しかし音楽(楽器、楽弓)に関してはやはり直に触れ、聴くことが最善だとも思います。演奏者にとっても勿論ですが、製作者にとっても演奏者の声を直に聞き、又製作者同士が交流することはとても刺激になると思います。早くそんな日が戻らないかなぁ、と考えながら、2年前のドイツでの展示会の様子を思い出しています。
この展示会はフランクフルトのミュージックメッセと同じ時に同じ施設内で開催されました。この年は女性の製作家を特集しよう!ということで弓製作では16名の女性製作家が集まりました。私もその1人として出展のご招待をいただきました。
私自身、1度にそれほど沢山の女性製作家に会ったことはありませんでしたので、不思議な感じもしつつ、連帯感のような感覚もありました。オランダやアメリカの知人の製作家にも久しぶりに再会し、色々な話しや質問をし充実した時間でしたし、現地の演奏家とお話をし、意見を伺えたことは勉強になり製作意欲をかき立たせるものでした。
この展示会では出展数1人3本まで、となっており私はチェロ弓、コントラバス弓(ジャーマンスタイル、フレンチスタイル各1本)を出展しました。次回はあんな弓も出展したいな、と考えていましたが今はまだその機会が延期になってしまっています。
今はこの時間も大切にしなくては、と新しいモデルの弓の製作にも挑戦中です。

 

 

1日も早く以前のように自由に行動できる日がくることを祈りつつ、今は一人ひとりの心掛けを大切に元気に過ごすことが一番の近道と自分に言い聞かせる日々です。皆さまもどうかお元気にお過ごしください。