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恐怖!機動分数ヴィオラ

第227回 池渕 孝介(2021.7.5)
池渕 考介

皆様こんにちは。アトリエ VERNICE の池渕です。ワクチン接種が進みコロナに打ち勝てそうな世の中になってきて嬉しい限りです。早く私もワクチンを打ってクレモナに行きたくてうずうずしている毎日を過ごしています。

さて、今回は題名の通り分数ヴィオラについてのお話です。数か月前、私はあるお客様からオーダーメイドで分数ヴィオラを作れないか
と言うご依頼を頂きました。

分数バイオリンなら世の中にいくらでもありますが、分数ヴィオラを耳にしたことがある方はこの業界でも少ないと思います。

なぜなら理由は簡単、分数ヴィオラを作るより分数バイオリンに分数 C 弦を張ればそれはもう立派な分数ヴィオラだからです。

この概念のおかげで、古今東西よっぽどの物好き以外に分数ヴィオラを作る職人はいなかったと思います。

今回私はそのことを踏まえ、ちゃんとヴィオラの型から分数化した「本当の分数ヴィオラ」のオーダーメイドを開始しました。
大きさはヴィオラサイズで 1/8=バイオリンサイズで 1/4 です。

箱の大きさは決まっているので、本体は比較的楽に製作できましたが、diapason や f 孔の位置などが定まらず苦労しました。

問題はネック回りと指板の大きさです。お察しの通りヴィオラは正解がないのが正解な楽器のため、お客様とネックの長さや太さなどを入念に打ち合わせを行い製作しました。

※なお、この文章を書いている段階ではまだ弦を張るまでに達していません。
分数ヴィオラの音はどんな音になるのかまだまだ未知数ですが、完成の暁には分数バイオリンに C 弦を張ったものなどあっと言う間に叩いて…、もとい、分数バイオリンに C 弦を張ったものよりヴィオラの音になればいいなと楽しみに思い製作をしています。