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- 2020年春は新型コロナウイルスと自粛要請と-

第203回 糟谷 伸夫 (2020.6.5)
糟谷 伸夫

今年は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言などあり、外出や営業に自粛要請がなされました。
このコラム原稿を書いているのは5月中旬。まだ自粛要請が出されています。

ヴァイオリン製作自体は職人が工房に一人籠もってひたすら彫ったり削ったりの繰り返しですので忌避される3密とも無縁なのですが、やはり全く人との交わりを絶ってできる仕事という訳でもありません。

演奏家に会わなくては修理も調整もお受け出来ません。
一般に手作りの新作ヴァイオリンは高級品に類するのでネット販売にも不向きです。

やはり工房へ足を運んでいただかないといけないのです。

自粛要請を機に自宅で名演奏家のデジタルアーカイブを視聴しつつ過ごすのも一興かもしれません。
しかし、ヴァイオリンの良さはやはりアナログ感、リアル感、見て聴いて触る感じの中にあるのではないでしょうか。

平時、当方ではヴァイオリン製作教室なども行っておりますが、自粛要請中は行わないことになりました。
実際に木を削ったり、重さを量ったり、組み立てていく。
とても楽しい作業ですが、複数人での作業は狭い工房で密な環境になってしまいます。

人と人との距離をとらなくてはいけない新型コロナ対策。

このことで、人が当たり前に生活している中に他者との関わりがあるという事、それがいかに大切なものであったのかとの思いに至りました。

ヴァイオリンやピアノなどの子供たちの発表会も各方面で中止や延期をされているようです。
毎日一生懸命に練習して準備してきた曲を発表する機会がしばしの間とはいえ失われてしまうのはとても残念なことです。

来年に延期された東京オリンピックもさることながら、音楽も演奏も大好きな子供たちの発表会も同じく思いっきり開催できるよう、この新型コロナウイルスの早期終息を切に願うところです。