1. ホーム
  2.  > 連載コラム
  3.  > 第288回 河村 盛介(2024.03.05)

もの作り体験 in 荒川区

第288回 河村 盛介(2024.03.05)

以前のコラム(4thシーズン 第163回)でご紹介した、私の工房がある東京都荒川区がやっている
「モノづくり見学・体験スポット」。
荒川区内に点在する様々な工場や工房を、モノづくりの見学や体験ができるスポットとして区が広く紹介している取り組みです。

私が参加して5年以上が経ちましたが、その間、御徒町の「2k540 AKI-OKA ARTISAN」「KITTE丸の内」で行われた区が主催するもの作りイベントに参加しました。
これらのイベントを通して、バイオリン好きな方はもちろん、普段バイオリンに馴染みのない方たちに、バイオリンのことやその製作についてご紹介してきました。

そして今回、2024年3月8日(金)、9日(土)に開催されるイベントは、荒川区を訪れた方が区内を散策しながら各スポットを訪ね、見学や作業体験をするというもの。
題して、「ara!und」(アラウンド)。

私の工房では、バイオリンとその製作の紹介に加えて、コースターのパーフリング体験と、メープルで作るストラップ体験を行います。

パーフリング体験は、正方形の木のコースターにバイオリンのパーフリングを埋めるというもの。

バイオリンの表板と裏板の縁には、黒い2本の線が入っていますが、これは板に細い溝を掘って黒白黒の3層に張り合わされた細い木(パーフリング)を埋めています。
バイオリンのようなきれいな曲線でパーフリングを入れるのはとても難しいので、直線なら一般の方でも気軽に体験していただけるのではないかと考えました。
でも実際、木工作業に慣れていない方にとっては大変難しいようで、予定の90分で4辺全てにパーフリングを入れられた方はいらっしゃいませんでした。

そこでもっと気軽にバイオリンを感じていただくために考えたのが、ストラップ体験。

バイオリンの横板や裏板、ネックに使われるメープルの板を、紙ヤスリできれいに磨いてオリジナルのストラップを作るというもの。

縞々の杢(虎杢)が入ったメープルの板を紙ヤスリできれいに磨き、仕上げに油(亜麻仁油)を塗ると、キラキラと虎杢が浮き出てとてもきれいです。
最後にお好きなスタンプを押して、オリジナルストラップの完成です。
この体験は刃物を使いませんので、小さなお子様から気軽に体験していただけます。

これらの体験は、イベント期間以外でも出来ますので、やってみたいという方はお気軽にお問い合わせください。
特に、今までバイオリンには縁がなかったという方、こういった体験を通じてバイオリンに興味を持っていただけたらいいなと思います。