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砥石

第193回 藤井 勉 (2020.1.5)
藤井 勉

皆さんは砥石に興味はあるでしょうか?。ほとんどの方は無いと思います。家に無い方がほとんどでしょう。しかし、昭和の 40~50年頃まではどの家にも砥石が在り、家で研いでいたものです。それも天然砥石で。家庭の砥石は、なかなか減らないので親から受け継いでいきます。しかし、実家から独立したりで新居を構えると新しい砥石が必要になります。昭和の50年頃からは人造砥石が広まっていきますので家庭では人造物を購入する場合が増えていきます。天然とか人造とか書きましたが、天然砥石は、山から掘り出すので手間と危険が伴います。人造物は工場で作るので、質、大きさが均一に造れます。砥石は荒砥、中砥、仕上げに分かられます。荒砥はグラインダー等で形を整えてた刃物に、最初に使う砥石です。次は中砥、そして仕上げですが、一度仕上げまで整えれば、荒砥は使わず、中砥→仕上げで切れるようになります。家庭では人造でも大丈夫ですが、職人は天然砥石を使います。特に仕上砥石は天然物に限ります。天然砥石は砥石が減りにくく型崩れしにくいので、平であってほしい裏側の平面を保ちます。裏が平らだと薄く切れるし、切った面は綺麗です。

私も天然の仕上げ砥石を使っています。それが結構減ってきたので、インターネットオークションで探してみましたら、沢山出品されていて、それが毎日のように落札されています。大工さんも今では刃は研がず、取替えの道具が多いので砥石を使う頻度はとても低いようです。いったいどんな人たちが天然砥石を買っているのでしょうか…。

天然仕上げ砥石の説明を見てますと、専門用語が出てきます。戸前、巣板、千枚など、そして、大突、奥殿、愛宕など。前半は地層です。後半は産地。(荒砥、中砥は産地のみで区別されています)荒砥、中砥は全国で採れますが、仕上げ砥石は京都の亀岡周辺に集中しています。世界中で京都だけと言ってる砥石屋さんもいました。(人が掘り出せる所の意味かも知れません)今でも採っている所もありますが、殆どは閉山していて当時の在庫が販売されています。必要な者にとってはとても貴重であります。もし砥石や研ぎに興味が出てきたら、ネットオークションで見てください。専門用語を知らずに買うことは出来ず、大きな本屋さんで研ぎの本を買う事になりますよ!。

新しい砥石が手に入ると、道具整備がしたくなり、仕事もはかどり良い事ばかりです。

年を取ると視力が落ちてきますが、道具に助けられて製作を続けていこうと思います。

 

荒砥 大村

 

対馬 中砥

 

中山 戸前 仕上げ