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春を知らせる鳥

第255回 岸野 大 (2022.10.5)
岸野 大

今の工房に移って 5 年、毎年決まって春先に新しい季節の訪れを鳥が知らせてくれます。
こう書くと何だか小洒落た感じになりますが、実際はそんなにスマートではありません。

まだストーブが絶賛活躍中の寒さが残る 2 月のある日、コロナの影響で学校と保育園が休みになった子供達の保育をしながら仕事をしていると、突然ドン!と大きな衝撃が工房に響き渡りました。
子供達は驚いて「誰かが窓叩いたん?」「外で事故ちゃうか?」と騒ぎ出しましたが、既に何度か経験している私は今年も来たか、と外に出ました。
案の定、外には怒って窓を叩く人も事故した車もありませんが、足元に目をやるとやや体の大きな鳥がうずくまっていました。
毎年何故か同じ時期に一度、工房の 2 階の窓に同じ種類の鳥が激突して店の前に落ちます。
落ちた鳥はショックのせいなのか、しばらくは全く動かず触っても逃げませんが、暫くそっとしておくと動き出してやがて飛んでいきます。
初めは私も子供達と同じく何事かと驚きましたが、数年続くと今年ももう少しで暖かくなるな、と季節の変わり目を知らせてくれる存在になりました。

退屈していた子供達も普段こんなに近くで見る事のない鳥をじっくり観察できて喜んでいました。
工房のある場所はそれほど田舎でもないと思いますが、近くの川では鷺と川鵜が並んで魚を狙う姿が見られたりと、ある程度自然も感じることが出来てなかなか良い立地だなと気に入っています。