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長い冬の後に

第158回 永石 勇人(2018.05.05)

花粉の飛び交う時節ですが実は春の盛り、春眠を誘うほどに心地の良い季節です。
街で働く人々もひときわ明るくなり、どことなく外を歩いていても気持ちのよい挨拶が嬉しい5月のクレモナです。

この絶好の風を捉えてオープンな空間で皆で少し飲みたいなと考えるようになりました。
去年はビール好きで社交的なフランス人が工房に研修にきていましたので、彼女のお披露目もあって皆に声をかけました。
今年は東京よりヴァイオリン研究目的で1年ほど大学の先生がクレモナに滞在しています。このチャンスを活かしまして紹介の意図もあって皆に集まってもらいゆったりとしたイタリアの休日をすごしました。

 

 

“職人たちの炙肉祭”とふと思いついた宴は、イタリアの頼りにならない天気予報を横目にあついぐらいの白陽のもと工房の中庭で準備をはじめました。1日前より友人を集め少しばかり下準備をいたしまして、土曜のランチに火を入れました。
炭火で焼いた肉をひたすら日が暮れるまで食べる目論みですが、人数多ければそれ以上に美味しいわけでありましてビールと合わせて、まぁ、夢心地です。持って来ていただいた一品のクオリティーの高さと、ひたすら肉を焼き続ける職人魂溢れる方、手際の良いヘルプなど、楽しんでもらおうと考えていましたが、自分が楽しませてもらいました。

 

 

ここ5、6年クレモナを訪れる日本人のスペックの高さには驚いています。肉の焼き方、料理の味付け、素材の工夫はもちろんですが、話しをする中でも視点、観点に偏りがなくごく自然で、屈託のない様がアイディアのインプット、アウトプットしやすい状態にもっていっている感が伺えます。
楽しくなってきました。何かが生まれるまえぶれを感じます。

 

 

夜になると、鼻のムズムズがうごめいて目の痒みが止まりません。最近は早く寝るようにしました。
今日も朝はサツキ晴れです。窓を開けて大好きなヴァイオリン、チェロ作りに取りかかりたいと思います。楽器作りとして邁進しています。
悩まされるアレルゲンとも上手く付き合っていこうと考えています。