1. ホーム
  2.  > 連載コラム
  3.  > 第219回 伊藤 丈晃(2021.2.20)

ネットサーフィン(死語)

第219回 伊藤 丈晃(2021.2.20)

今の時代に日本みたいな土地で独立してヴァイオリン製作をしていると、なんと言っても(好きだ嫌いだあるとは思いますが)インターネットからの恩恵をあらゆる形で享受できると日々実感できます。

もちろん、ネットに浮かんでる情報「だけ」で良いものが作れるわけではないことを大前提に今日ここでの話をしているつもりです。

少なくても、各専門分野のコミュニティーにしか開かれていなかったような情報でも、アクセスしやすい状況の自由さと風通しの良い雰囲気は、今の自分の作風にとても大きな影響を及ぼしていると感じています。

ただ、僕のイメージでは、現在のネットの海はゴミがたくさん浮いていてそれをかき分けて進むにも正直困難がつきまとう状況ではあります。

あくまで自分のイメージでしかありませんが、そんなゴミの中を泳いででも進む根性とある種の体力があれば、稀に見知らぬ宝の島にたどり着くことがあります(そんな気がする時が今でもたまにあります)。

かつて、Twitter も便所の落書きに例えられてもう久しいのですが、面白さというのは、まさにそんな中からでも偶然掘り出される希少な何かなのだと、結構真剣に思っています。

いよいよ怪しい話になってまいりましたが、最後に本日の要点を一言にまとめると「最近ネットでこんな論文拾ったよ」です。

あまり数をあげるとキリがないので、最近出会って特に興味深く感じたものをリストにしてここにシェアしてみます。

「時代の音」鈴木秀美 
https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/research/journal/bk2009/pdf/bk2009no02_02.pdf

「リンシードオイルの加工が絵具や画肌に及ぼす影響について -ブラックオイルとその使用に関する分析を中心に-」菅澤 薫
http://hdl.handle.net/2241/00156601

「腐食銅版画の防蝕皮膜について -アブラアム・ボスの『腐食銅版画技法』の場合を中心に-」神谷佳男
https://core.ac.uk/download/pdf/233179219.pdf

「音の空間放射特性と音色〜楽器音解析とスピーカ設計を通じて〜」牧 勝弘
https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_uri&item_id=160400&file_id=1&file_no=1