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レンズの歪み

第171回 岸野 大 (2019.1.20)
岸野 大

我が家には6歳の長男と3歳の双子、あわせて3人の子供がいます。
双子は一卵性で二人とも男の子です。
ここまで言うと大体の方が、男の子3人!それは大変でしょう…と言ってくれます。
それぞれがひどくやんちゃというわけではないですし仲の良い兄弟だと思いますが、それでも毎日喧嘩したり大騒ぎしたり、賑やかな日々を過ごしています。
そして当然家の中の物も壊してしまったりするのですが、眼鏡がよく被害に遭います。
私は普段常に眼鏡をかけていますが、子供の頭突きを受けたり手が当たったりしてレンズが曇る、フレームが歪むという事故がよく起こります。
年末にそれまで使っていた眼鏡がそろそろ限界に来ていたので新しい眼鏡を買う事にしました。

新しい眼鏡を選ぶ際に、これまで気になっていたレンズの種類を変えてみました。

私達の仕事では、楽器を作る際にも、駒や魂柱を立てるなどのメンテナンスをする際にも、物が真っ直ぐになっているか、形が左右均等になっているかなどを目で見て確認する事がとても重要になります。
この仕事を始めた頃は中心がとれているか、左右のバランスがとれているか定規などできっちり測ってなるべく正確に、という仕事の仕方をしていましたが、仕事を始めて10年ぐらい経った頃から有る程度目で見た感覚というのを重視するようになりました。
もちろんきっちり測る事もしますが、ある程度訓練されてくると人間の感覚はかなり細かい誤差を感じ取れるようになると思います。
そして何でもかんでもきっちり測ってやった仕事よりも、ある程度自分の感覚を信じてやった仕事の方が良い結果が出る場合が多いと感じるようになりました。
このような仕事の仕方をするようになってから、同じものでも右目と左目で見たときに微妙に違いがある事に気付きました。
私は左右の視力に差があり、乱視も入っているので眼鏡のレンズによる歪み具合も左右で異なる、という事に今更気付いたのです。

 

調整中のチェロの魂柱。真っ直ぐに立っているでしょうか…。調整中のチェロの魂柱。真っ直ぐに立っているでしょうか…。

 

気付いてしまうとこれがとても気になるようになっていたので、新しい眼鏡を買う際になるべく歪みの少ないレンズに出来ないか、店員さんに相談してみました。
店員さんによると、私よりもっと極端に度数の強い眼鏡が必要な方向けに歪みを抑える加工をしたレンズがある、という事でした。
「普通のレンズより6000円ぐらい高くなりますし、お客さんぐらいの度数の方なら普通のレンズで日常生活に特に問題は無いと思いますが…」と言う店員さんに、高くても構わないので歪みの少ないヤツにして下さい!とお願いしました。

特殊なレンズで取り寄せになります、という事で待つ事2週間、届いた新しい眼鏡をかけてみると…やはりそれまでの眼鏡とは何か感覚が違います。
特にレンズの端の方でも歪みが少ないのがとてもすっきりとして見えます。
あくまでも仕事をする際の細かい感覚の問題だけなので、店員さんの言う通り日常生活では何も問題は無いのですが、やはり今までレンズの歪みがかなり出ていたんだなと改めて確認出来ました。

これで新年は視界も良好に、仕事が捗ると良いなと思います。
ちなみに眼鏡の見た目がハリーポッターみたいでカッコいいから、という長男の強い要望で新しい眼鏡は人生初の丸眼鏡になりました…。

 

新調した眼鏡。新調した眼鏡。