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終生の友

第134回 豊島 継男(2017.01.05)
豊島 継男

僕は酒が好きだ。
アルコールなら何でも、日本酒、ビール、ワイン、焼酎、ウイスキーetc.。中でも、最近家ではもっぱら「Asahi off プリン体ゼロ、糖質ゼロ、人工甘味料ゼロ、350ml」を愛飲している。これ一本でも空きっ腹には結構来る。今さら遅いんでねーの、と人は云う。

今年3月で70歳になるがざっと50年以上、ほぼ毎晩アルコールを飲み続けてきた。若い時は金が無くてよくツケで飲んでいた。幸い大病もせず体力の衰えを感じつつも夕方仕事の手を休めAsahi offの最初の一杯が喉を通過して行く瞬間が至福の時である。若い時なら甘いも辛いも味も分からずただ酒が呑めると云うだけで嬉しかった。サントリーレッドやトリスなどの安酒を呑んだ後の胸のムカツキ、頭ガンガンの二日酔いも青春だったのだろうか。今はそんな元気もない。

外で飲むときは“トリアエズ”のビール一杯から始め、二杯目からは腹に堪えない(僕は小食なので)レモンサワーが1番だ。店によってはレモンサワーがビールのジョッキで出てくる。ビールジョッキのように縁が厚いとレモンサワーの繊細な味が味わえないので何か損したような気になる。だからそんなときは何でも良いから縁の薄いクラスに変えてもらうのだ。

僕は酒処の秋田生まれだから人は僕のことを日本酒が好きだろうと思っているようだがそうでもない。子供の頃からどぶろくで育っているからね。日本酒は熱燗で飲むのが1番うまい飲み方だと思うのだが、僕の日本酒に対するイメージは冬の寒い夜道を震えながら背中を丸めて鼻水をすすりながら馴染みの赤提灯の暖簾を掻き分け、店内に入ると利いている暖房でメガネが蒸気で曇ってしまう、そんな場面である。日本酒だったらいつものカウンターに座り懐メロを聴きながら湯豆腐などをアテに熱燗三合ぐらいをみたいな。

おお、終生の友でありツレでもある酒よ、今年もよろしく。

 

次回は1月20日更新予定です。

次回、関西弦楽器製作者協会展示会は2018年4月22日(日)です