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以前から認められていた日本の道具類

第114回 藤井 勉(2016.03.05)
藤井 勉

皆さまこんにちは。3回目の投稿になります。
今回は、道具について書いてみます。昨今は、日本ブームで、和食や観光地、工芸品など、海外の方たちに人気がありますが、日本の道具類、中でも刃物は、人気が高いと報じられています。

DICK社(現DICTUM社)カタログ2002年版よりDICK社(現DICTUM社)カタログ2002年版より

ほとんどは、ブームに乗って、日本の道具を知った方が多いと思いますが、ヴァイオリン用を含む道具類を販売しているドイツのDICTUM社(旧DICK社)のカタログには、20年以上前(私自身が初めてカタログを見た頃)から日本の道具類が載っていました。(カンナ、のこぎり、ノミ等大工道具に包丁、鋏、筆他)当初は何故日本の道具が載っているのか疑問でしたが、日本人は何につけてもつき詰める(極める)のが好きと云うか性分なので、使わない者にとっては、「こんなに種類が必要なのだろうか?」と思うほど少しの違いで、沢山の道具があります。それを知った旧DICK社の方が、実際に使ってみて良いと思ったから、載せるようになったのだと思います。道具が沢山あるからといっても、用途に応じた物を使うので、ある作業において一人が何十もの道具を所持することはありませんが、数種類は使い分けるので必要と思います。沢山の中から自分に合った物を買い求めるので、満足感も結構あります。それを使って作業がうまくいけば、尚更です。

購入した槍鉋購入した槍鉋

皆さんは槍鉋(やりがんな)ってご存知ですか?。槍の刃の部分が少し反り上がった様な形です。以前テレビで、お寺か神社の再建(式年遷宮とかでしょうか)の古い映像で、寝かした大きな柱に槍状の道具(柄を含めると1メートルぐらい)を当て、何人もの人が並んで前進して行くのを観ました。解説で槍鉋と知りました。これで柱を削っていると言うのです。

凹面は特に使いやすい凹面は特に使いやすい

「こんな物で鉋の役目を果たせるのか?」その疑問のまま時間は過ぎましたが、別の道具を探しに京都の道具屋で色々見てますと、小さな槍鉋があったんです。彫刻刀ぐらいの大きさです。刃先の反り具合が違う物が何種類か在りましたが、一番緩やかな反りの物を買ってみました。使ってみるととても楽しいです。勿論形状からして台付き鉋のように直線や面を出せる道具ではありませんが、窪んだ所が切れますし、他を傷めず切りたい部分だけ削れます。
これの大きな物であの柱を削っていたのだなぁ。そう云えばお寺の大きな柱は面が無く、ゴツゴツしてますね。槍鉋を持った大工さんが並んで柱を加工したのだと思いを馳せます。

研ぎの一例研ぎの一例

最後に槍鉋の研ぎは鎌と同じように砥石の方を動かします。ちょっと慣れが必要です。

道具屋や、お寺に行った時は思い出してみて下さい。

 

次回は3月20日更新予定です。

次回、関西弦楽器製作者協会展示会は2018年4月22日(日)です