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中国の音楽教育について

第99回 小玉 剛司(2015.07.20)
小玉 剛司

私は中国の楽器店で働いているので、今回は中国の音楽教育についてご紹介したいと思います。

まず、日本と大きく違うのは、音楽に「検定」があるということです。日本の英検とかと同じようなもので、国の認可を受けています。検定の科目は様々で、ピアノ、バイオリンを始め、トランペットやクラリネットなどの管楽器、打楽器、ギターなどの弦楽器、中国の民族楽器、音楽理論や舞踏、などがあります。 それぞれ1~10級まであって10級が最上級です。

検定の内容と価格検定の内容と価格

バイオリンの先生に聞いたところ、もともとイギリスに倣って、音楽普及の目的で25年ほど前に導入されたようで、イギリスの場合は9級までしかないが、中国は一つ足して10級までにしたとのことです。また、検定のおかげで自分のレベルを知ることができるし、中国は競争社会ですので、順位をつけたり、比べる明確な基準があったりすると励みになるとのことでした。
また、その先生が言うには100人生徒がいたら99人は検定を受けるそうです。ただ、目的があくまで音楽普及ですので、10級と言っても6才から音楽を始めて、真面目にやっていたら小学6年生頃には10級を所得できるぐらいのレベルだそうです。参考までに10級の課題曲ですがラロのスペイン交響曲の第1番か第5番、ヘンリク・ヴィエニャフスキのスケルツォ・タランテラなどが挙げられていました。

緊張の瞬間緊張の瞬間

検定は、半年に一回開催されます。だいたい2、3人の音楽大学の先生が検定の試験官をするようですが、写真にもあるように、地方などでは適当でちょっと音楽にかじったような人が1人で試験官をすることもあるようです。主催は中国の8大音楽大学と呼ばれている8つの音大と音楽家協会が務めます。

合格したよ!合格したよ!

個人的な感想としては、日本にもこういう検定があってもいいのではないかと思います。日本人の場合、検定好きですし、楽器の普及にもつながります。私も子供の頃バイオリンを習っていましたが、主に発表会などに目標が据えられていて、人前で弾くのが苦手な私は逃げてばっかりで、どちらかというと、こういう個人的な目標の方が励みになったような気がします。もちろん音楽を楽しむという観点からするとナンセンスですけど。

ただ中国国内では、全く音楽教育を受けてない人の方が圧倒的に多いので、お店に来るお客さんが毎回、バイオリンを見ては、これはギターだと言ったり、ウクレレを見てはバイオリンだと言ったり、コントラバスを見ればほぼ100%チェロだと言ったり、まだまだだなと思うこともたくさんありますが・・・。

こんな感じで忙しく、楽しくやらせてもらっています。最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

次回は8月5日更新予定です。

次回、関西弦楽器製作者協会展示会は2018年4月22日(日)です