1. ホーム
  2.  > 連載コラム
  3.  > 第90回 三枝 佳世(2015.03.05)

関西弦楽器製作者協会 入会のごあいさつ

第90回 三枝 佳世(2015.03.05)
三枝 佳世

本年度より入会の三枝佳世と申します。
2014年より大阪府摂津市にて楽弓を専門に修理、毛替え、製作を行っています。
楽弓はバロック弓からモダン弓まで、ヴァイオリン弓からコントラバス弓まで全般に対応し、関西地方はもちろん全国の演奏家の方々の楽弓について、少しでもお力になりたいと思っています。又、日本国内では数の少ない楽弓製作という分野を知っていただける様になれれば幸いです。

楽弓を専門に扱う東京、鶴屋弓弦堂で楽弓についての勉強を始め、日本国内だけではどうしても限定的になってしまう為、今までフランス、アメリカで個人製作家に楽弓製作を師事し、ワークショップにも極力参加してまいりました。海外では楽弓製作は楽器製作とは全く別の職業として認識されています。

しかし、近年では楽器製作とは異なり専門的な製作学校等が無くなってしまったのが現状です。現在は短期間ではありますがヨーロッパ、アメリカでは弓製作専門のワークショップが様々な形で行われています。製作家が個人的に開催する小規模なワークショップからVSA (Violin Making Society of America)が主催する専門性の高いワークショップなど様々です。
小規模なワークショップはアマチュアの方を対象にしたものもあり、アマチュアの演奏家が趣味として自分で自分の弓を製作してみたい、と思われる方も多くいらっしゃるようです。

楽弓の歴史に沿って製作を始め、初めての製作したのはフランスのバロック弓を専門に製作するN. Poidevin氏に師事し、バロックヴァイオリン(クリップイン式)の弓でした。その後、フランス・リヨンに工房を構えるD. Bergeron氏に師事しバロック弓、モダン弓全般の製作を勉強する機会に恵まれ、異文化に触れながらフランスでの製作方法、楽弓に対しての考え方等、大変多くの事を学ぶことができました。又、アメリカ・NYでY. Chin氏に毛替え及び修理を学びました。

日本、フランス、アメリカと主に3つの国で楽弓分野に触れ製作活動をしてきましたが、フランスでもジャーマンスタイル弓が受け入れられていたり、アメリカの製作家の方がフランスの製作家より、よりフランス伝統の製作方法を行っていたり、個人は勿論ですが、国ごとにもそれぞれ考え方や捉え方の違いがあり新しい発見は尽きません。

これからも弓製作家は勿論、国内外の楽器製作家、演奏家の方々との交流を大切に自身の技術、知識の向上と共に楽弓の大切さについて知っていただける様な活動をしていきたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いしいたします。

次回は3月20日更新予定です。

次回、関西弦楽器製作者協会展示会は2018年4月22日(日)です