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中国のバイオリン事情

第62回 小玉 剛司(2013.12.20)
小玉 剛司

私は現在中国の楽器店で働いていますので、今回は中国のバイオリンに関わる情報をご紹介したいと思います。

中国のクレモナ!?

中国のバイオリン年間生産量は60万本、世界のシェアの9割を占めるともいわれています。驚くことに、その内の3分の1が、北京から70キロ程離れた平谷区の東高村というところで生産されています。

大規模な工場大規模な工場

この村は人口が3万人、労働人口は1万人程ですが、その内3500人がバイオリン製作に関わって生計を立てています。まさに中国のクレモナですね。ただクレモナと大きく違うのは、個人工房ではなく工場が主体です。またクレモナというと、時計台や教会があり、美しい町並みを誇りますが、東高村はただの農村で、見た目は本当に普通のおじさんおばさんが、これまた普通の家で作っています。しかしながら、この村には楽器製作工場が20軒あり、作られたバイオリンは世界の30あまりの国へ売りさばかれ、国際市場シェアの30%を占めているのです。

製作風景製作風景

もともとは、20年ほど前、バイオリンを見たことも無いような農民が見様見まねで始めた訳ですが、政府が力を入れ出してから技術改革され、現在ではとても品質の良いものを作り出しています。また最近では、楽器教育にも力を入れているようで、数多くの人材を輩出しています。

私の中国の店もこの村のメーカーと取引していますが、日本では信じられない値段で仕入れることができます。価格を知ってしまうと…時々作るのが嫌になることもあります(泣)。

中国のバイオリン製作コンクールについて

2013年9月6日北京の国家大劇院で第二期国際バイオリン、弓製作コンクールが行われました。第一回が2010年に開催され、3年に一度開催されます。

出場項目は、

バイオリン部門はバイオリン、ビオラ、チェロ
弓部門はバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスです。

国外参加者の参加料は1品目125ユーロ、2品目以降100ユーロです。
賞金が各部門金賞一名に与えられます。
バイオリン  15,000€ 
ビオラ    17,500€
チェロ    25,000€
バイオリン弓  3,000€
ビオラ弓    3,000€
チェロ弓    3,500€ 

コンクールの様子コンクールの様子

今年は中国を始めイタリア、フランス、アメリカ、カナダ等11カ国の245人の製作者が参加し399品の作品が集まりました。そのうち国外製作者は37人でした。コンクールは二部に分かれて行われ、一次は非公開、決勝は公開されて行われます。
またコンクール中には世界各国の著名なマエストロによる講演もあります。

コンクール後10日程の間グァルネリやイタリアンオールドの楽器が展示され、出品楽器も共に展示されます。
みなさん次回2016年に挑戦してみましょう!

次回は1月5日更新予定です。

次回、関西弦楽器製作者協会展示会は2018年4月22日(日)です