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ヴァイオリン職人と不思議な道具たち

第49回 やち 陽子(2013.06.05)
やち 陽子

今回は、私達が普段使う道具ですが、皆さんには不思議な物たちを紹介したいと思います。

早速ですが、この道具をご覧になったことはありますか?

ミラーミラー

「ドキっ!!歯医者さんが使ってる鏡!!」
実は、歯医者さん以外に、私達ヴァイオリン職人も使っているのです。
何に使うかというと、魂柱を楽器の中に立てた時、ボディー内面の表板と裏板に完全密着しているかがとても重要です。この鏡を使って、正面からは見えない隠れた部分もきちんと密着しているかを、チェックすることができるのです。

続いてミラーとセットで使う道具です。

魂柱立て魂柱立て

エンドピン穴から魂柱を臨むエンドピン穴から魂柱を臨む

このコブラのような形をしているものは、魂柱を楽器の中に立てる道具です。
おそらく私達ヴァイオリン職人だけが使っているものだと思われます。
2つの仕事をこなす優れもので、まず尻尾で魂柱を刺しf字孔の穴から胴体に入れます。
次に、魂柱の立つ位置で音が変わるので、弾き手の好みを聞きながら楽器の中に立っている魂柱の位置を動かし、音を探します。その時に、頭の部分を使って魂柱を自在に動かす事が出来るようになっています。

最後にもう一つ、鉛筆削りの兄弟のようなものは、ペグ削りです。

ペグ削りペグ削り

ペグの軸にテーパーを付けて先細りになっていくように削れます。ペグを削る刃が4つありますがそれぞれ削る径の大きさが少しずつ違うようになっています。オールドの楽器などはすでにペグ穴が大きくなっているので、その場合は大きな径のテーパーを使います。
新作楽器のペグ穴は細いので、大きな径のテーパーから削り始め順番にサイズダウンしていき、一番小さい穴まで削って作ります。

ここに掲載した道具は、ほんの一部です。
なかなか表舞台に出る事はありませんが、私達の心強い同士たちです。

次回は6月20日更新予定です。

次回、関西弦楽器製作者協会展示会は2018年4月22日(日)です