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工房近くの風景

第167回 猪子 宏明 (2018.11.05)
私の工房は、四国の東の端 徳島市にあるのですが、今年の夏は台風が何回か通過していきました。
 
幸いにも自宅、工房とも被害は無かったのですが、工房からすぐ近くを流れる吉野川は河川敷まで水で溢れ、そこに架かる吉野川橋の下を通るアンダーパスの道路は水が引くまで通行止めになっていました。
その吉野川と吉野川橋について少し、水源の愛媛県から高知県を通り徳島を西から東に流れるこの川は別名四国三郎と言う日本でも名の知れた暴れ川だったそうです。
 
江戸時代から昭和の初めまでの長い治水工事のお陰で今のところ大きな災害はありません。季節が良いと河口の方から日が昇り、夕方上流の方に水面に光を反射させながら太陽が沈んでいく様子は何とも美しいものです。そこに架かる吉野川橋は川の工事が終わった少し後に完成した90年近い歴史のある橋で約1キロの長さがあり、出来た当時は東洋一と言われたそうです。かまぼこ型のアーチの橋で、子供の頃河川敷には田んぼが有り稲を刈り取った後でよく草野球をして、負けた点数分だけアーチを走って帰って来るという罰ゲームをしていたのを思い出します。徳島にまだ民間の空港がなっかた頃、この橋の近くから大阪行きの水上飛行機が飛んでいました。親に手を引いてもらい大きな音にびっくりしながら水面から飛び立っていく飛行機を見に行ったのは、もう60年近く前のことです。