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年に一度の

第148回 西村 祐司(2017.11.20)

11月になると、そろそろ考えないといけないのが年賀状。最近ではメールでなくSNSやLINEなどで年始のご挨拶というひとも多い。年賀はがきを送るというひとでもパソコンを活用したりデザイン印刷を業者に任せたりして、全部手書きというひとは少なくなっている。

かく言う私も書を嗜んでいるわけでも筆まめというわけでもないので、メール等で済ませてほとんど書かない年もあった。
出さなければ来ないのが年賀状だが、ありがたいことに毎年送ってくれる友人もいて、ここ数年は量は少ないが書くようにしている。

そして、自分らしさの出る年賀状にしたいとおもって、5年ほど前からはじめたのが版画である。小学生のころゴム板で作って以来の版画ではあるが、職業柄木工作業は慣れているはず。折角なのでバイオリンと結びつけた図柄にしようと思って作った。

 

初めの巳年はへびのとぐろのバイオリンの渦。

 

翌年は午年。馬といえば弓の毛であるが、あえてその方向には行かず、流鏑馬を模して馬上演奏家を彫った。

 

昨年は若冲風の鶏に尾のスクロール。

 

今回はどうしようか。あまり凝ったものは時間もかかるし、本職に影響が出てはいけないのでほどほどにしたいものだが、新年の挨拶なので見栄えのするものを作りたい。

余談ではあるが、版画といえば棟方志功が好きで、必ず思い出すのが、棟方が板に吸い付くように一心不乱に彫り進める映像である。その作品にはスピード感と荒々しさの中に力強さと温かな心がある。楽器製作にも共通する部分があると思う。大胆かつ繊細に。細かな部分にとらわれすぎて全体像が疎かになったり、勢いがなくなってしまったりということがないように心がけたい。